第五十三首

嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くるまは
いかに久しき ものとかは知る
右大将道綱母
部立 恋 出典 拾遺集
主題
ひとり寝の長くつらい夜の嘆きを相手に訴える心
歌意
あなたが来ないのを嘆きながら、一人寝る夜が明けるまでの間がどんなにか長いものであるかをあなたはご存じでしょうか。いいえ、おわかりではないでしょうねえ。
一子道綱が生まれてまもなく、町の小路の女に通いはじめた兼家に激昂した作者が、二、三日して訪れ、門をたたく兼家に対して迎え入れることを拒んだ翌朝、ことさらに「うつろひたる菊」にさして、送ったというのである。