2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧
九月九日 「北極は面白いけれどもそんなに永くとまっている処じゃない。うっかりはせまわってふらふらしているとこなどを、ヘルマン大佐になど見られようもんならさっそく、おいその赤毛、入れ、なんて来るからねえ、いくら面白いたって少し疲れさえなおった…
九月八日 その次の日は大へんいい天気でした。そらには霜の織物のような又白い孔雀のはねのような雲がうすくかかってその下を鳶が黄金に光ってゆるくわをかいて飛びました。 みんなは、 「とんびとんび、とっとび。」とかわるがわるそっちへ叫びながら丘をの…
九月七日 次の日は雨もすっかりはれました。日曜日でしたから誰も学校に出ませんでした。ただ耕一は昨日又三郎にあんなひどいいたずらをされましたのでどうしても今日は遭ってうんとひどくいじめてやらなければと思って自分一人でもこわかったもんですから一…
九月六日 一昨日からだんだん曇って来たそらはとうとうその朝は低い雨雲を下してまるで冬にでも降るようなまっすぐなしずかな雨がやっと穂を出した草や青い木の葉にそそぎました。 みんなは傘をさしたり小さなみのからすきとおるつめたい雫をぽたぽた落した…
九月五日 「僕は上海だって何べんも知ってるよ。」みんなが丘へのぼったとき又三郎がいきなりマントをぎらっとさせてそこらの草へ橙や青の光を落しながら出て来てそれから指をひろげてみんなの前に突き出して云いました。 「上海と東京は僕たちの仲間なら誰…
九月四日 「サイクルホールの話聞かせてやろうか。」 又三郎はみんなが丘の栗の木の下に着くやいなや、斯う云っていきなり形をあらわしました。けれどもみんなは、サイクルホールなんて何だか知りませんでしたから、だまっていましたら、又三郎はもどかしそ…
九月三日 その次の日は九月三日でした。昼すぎになってから一郎は大きな声で云いました。 「おう、又三郎は昨日また来たぞ。今日も来るかも知れないぞ。又三郎の話聞きたいものは一緒にあべ。」 残っていた十人の子供らがよろこんで、 「わぁっ」と叫びまし…
九月二日 次の日もよく晴れて谷川の波はちらちらひかりました。 一郎と五年生の耕一とは、丁度午后二時に授業がすみましたので、いつものように教室の掃除をして、それから二人一緒いっしょに学校の門を出ましたが、その時二人の頭の中は、昨日の変な子供で…
きょうは、賢治童話 、『風野又三郎』の紹介です。 九月一日 どっどどどどうど どどうど どどう、 ああまいざくろも吹きとばせ すっぱいざくろもふきとばせ どっどどどどうど どどうど どどう 谷川の岸に小さな四角な学校がありました。 学校といっても入口…
きょうは10月24日~11月22日生まれの人の『さそり座』について。 水の宮、不動宮、女性宮さそり座の支配星は、火星です。さそり座生れの人は、火星の性格を数多く受けつぎ、頑固なほど意思の強い、精力的な自信家になりがちです。行動も、考え方も概して単刀…
3 森番、メラーズは、いつも一人で自分の殻に閉じこもったような・・・、それでいて、世間というものをちゃんと見つめられる、控えめな人間であるようです。 (彼は三十七、八歳に見えた。彼女はうしろから彼が見ていることを感じながら森の中へ歩み去った…
2 クリフォド・チャタレイと結婚したコニイですが、肉体的な生活というものは二人はほとんどもたなかったのです。 (チャタレイとコニイ。精神上のことでは彼は彼女と一つであった。だが肉体上では二人はたがいに存在していないのだった。それで、どちらか…
1 『チャタレイ夫人の恋人』 を読みながら。 ディヴィド・ハーバート・ローレンス著『チャタレイ夫人の恋人』は、戦争で下半身麻痺となってしまった、クリフォド・チャタレイと結婚し、チャタレイ夫人となったコニイに関する物語です。コニイは二十三歳で、…
久しぶりに健康について。人は誰もが歳を重ねると老化ということに思いがいったりします。まあ、若くてもそれなりに健康には気を使いますね。私は内気功をするようになり、生命エネルギーについて改めて書いてみようと思いました。 「健康について2」に書き…